雨降ってなんとやら

雨降ってなんとやら

色んな話をします。

生まれて初めて本を作ったらイベントが延期になった話

この話をしようと思い続けて気が付いたら半年以上経過していた。
↓この記事内で軽く触れている。
k-iruka417.hatenablog.com

気が付いたら12月、今年もあと2週間も残ってない。
複数ジャンル掛け持ち型現場厨が干からびる恐ろしい年であった。

さて、私は色んなコンテンツを反復横飛びするタイプのオタクなのだが、そんな中10年以上続けている趣味がある。それが二次創作小説の執筆だ。中学生くらいのうちは友達の間だけで読み回していたが、pixivに小説投稿機能が実装されたことをきっかけにインターネットに自分が書いた文章を投稿するようになった。
ジャンルは変えたりしながらも、細々と刺さる人にだけ刺さればよろしの精神でインターネット文字書きマンを続けていた。
そんな私が2020年、ついに生まれて初めて自分の本を出した。
だがその本を頒布予定だったイベントは昨今の社会情勢で延期になった。そして延期先のイベントを私は欠席したので私個人の体感としてはほぼイベント中止である。
この記事はそんな話の一部始終の覚書だ。

2019年10月 本を出したいと漠然と思い始める。

詳細は省くが、私は2019年の8月に「このCPで本出したい……」と思うようなCPを見出した。ここでは仮にABとする。運用している個人サイトにその作品を書き散らし、ツイッターで呟き続けた。
だがこの記事でも述べているが、個人サイトというのは訪問者数が非常に少ないのである。
k-iruka417.hatenablog.com
ツイッターのリンクから個人サイトを見に来てくれる人はいるのだが、ABは2人ともキャラ自体がその年に世に出た事もあってまだまだ新興CP(造語)であった。
「ABが刺さっている人に少しでも作品の選択肢を増やしたい」「可能であれば私の作品が誰かに刺さってABを好きになってほしい」「枯れ木も山の賑わい」という欲求を満たすにははっきり言って個人サイトでは足りないのである。これは個人サイトを始めた頃の私が「新しいCPや新しいジャンルにハマる」ことを全く想定していなかったが故の落とし穴とも言える。
そこで私はpixivの再開とかそういう比較的お手軽な段階をすっ飛ばして、思った。

「本作ろうかな」、と。

2019年11月上旬 サークル参加を決意する

10月の下旬、私のこの何気ないツイートが爆発的にバズってしまった。
f:id:k_iruka417:20201220174333j:plain
このツイートをした時私は明確にABのAを念頭に置いていた。ABの名前は出していないのだが、それでもバズってしまったのでちょっと焦った。(引用RTで色んな人が色んなCP色んなキャラに同じような心境を抱いている事が分かったのは正直面白かったし気持ちは分かる……と思いながら通知を眺めたキャラもいた)
焦った私は、これはもう本を出すしか無いのでは?と思い。
そして、赤ブーブー社の4月のイベントにサークル参加を申し込んだ。もちろんABで。
それと同時に、本の作り方についてのリサーチを始めた。
原稿の作り方や印刷所の選び方など、知るべきことは多かった。

2019年11月下旬〜12月 本格的に原稿作業に取り掛かる

小説同人誌は、本文さえあれば後はどうにでもなる。

半月ほどリサーチに使った結果広大なネットがそう教えてくれた。なので、私は印刷所の選択やWebから再録する作品の選定と同時並行で原稿に掲載する書き下ろし作品の執筆に取り掛かることにした。とにかく本文が無いことには何も出せない。

私は基本的に遅筆な上に一度に書ける文字数が少ないので、出す本はWeb再録と書き下ろしを混ぜた短編集にしようとサークル申込の段階で決めた。
再録作品も加筆修正を行うことにした。個人サイトの頃に読んでいてくださった方もいるので、どうせ再録するならサイトと全く同じ文章というのも味気ない気がしたのだ。

ちなみに12月にFGOで第5章前編の配信が始まったのでその時は原稿の作業はちょっと止まっていた。

2020年1月〜2月 印刷所を確定、本文以外のデータ作成に着手

原稿を進めつつ、実際に本を出すための準備に本格的に取り掛かり始めた時期。
発行部数・予算などを鑑みて、私は初めての同人誌を「ちょ古っ都製本工房」さんで刷ることに決めた。ここは他の印刷所に比べて締め切りが早いのだが、少部数発行に対応している印刷所の中では一番安い。
www.chokotto.jp

私の場合、4月中旬のイベントに参加するあたってイベント1週間前に自宅に本が届くよう注文した。納期は10営業日コース、最も安いコースだが締切は3月下旬に差し掛かる頃とかなり早い。私はお金のために己の余裕を犠牲にすることに決めた。
表紙のデータ作成もこの時期に始めた。絵は描けないが外出先で事あるごとにスマホで写真を撮っているので素材には困らなかったのが幸いした。(本当は表紙用に新しく写真を撮りたかったのだが、2月中旬頃から外出が難しくなり始めたため昔撮った写真を使うことにした)

ちなみに1月にこんなことを言っているのだが、
f:id:k_iruka417:20201220174457j:plain
ここで言っている3月の土日の予定はお察しの通り全滅したので私はその土日を使って死んだ目で原稿のラストスパートをやっていた。

2020年3月中旬その1 スペース番号が発行

楽しみにしていたイベントが軒並み中止になり楽しみにしていた劇場版の公開は延期になりと恐らくこの頃の私は完全に目が死んでいたのだが、スペース番号が発行されたことでどうにか今後に楽しみを見出すことに成功した。
あまりこのジャンルの人とは交流していないのだが、やはり同じCPで本を出す人がいることが嬉しかったし、現ジャンル以前から別ジャンルで繋がってそこそこ長く相互フォロワーの方が同じイベントの比較的近いスペースに配置されていることが分かって嬉しかったりもした。
こうして私は原稿のラストスパートへとモチベーションを高めていった。

2020年3月中旬その2 入稿する

締切の数日前に入稿した。我ながら優等生である。

2020年3月下旬その1 入稿の1週間後にイベントが延期になる

これについてはこれ↑が全てである。
新刊の頒布はとりあえず延期先の日程を見て判断することにした。この時は4月中開催予定で延期、というアナウンスが最初に出ていたのだ。

2020年3月下旬その2 通販での頒布を決定する

イベント主催者から4月中の開催を延期、と正式にアナウンスが出た。
そして私は、イベントの開催を待たずに、初めての同人誌を通販で頒布することに決めた。

2020年4月上旬 初めての同人誌が家に届く

嬉しすぎたので届いたその日の夜は自分の同人誌と同じ布団で寝た。

2020年4月中旬 同人誌の自家通販を開始する

Boothに店舗を開設し、本来のイベント開催日から自家通販を始めた。
幸いにも何人かの方に手に取って貰えたし、当時pixivでほとんど活動していなかった(本文サンプルは流石に支部にも掲載した)にも関わらず興味を持ってくださる方がいることが本当に嬉しかった。
感想もいくつか届いて(本当にありがとうございます)、金銭と引き換えてまで自分の本を欲しいと思ってくださる人がいることや感想まで届けてくれる人がいることがあまりにも有り難かったので、なるほど同人誌を出す醍醐味とはこのようなものか、と思った。
これで最初がイベント頒布だったら私の感じ方はもう少し違ったのだろうか。そんな未来はなかったのでもはや預かり知らぬことだ。

その後

さてその後、イベントの延期先日程は2020年の8月となった。
だが私はそのイベントは欠席することにした。家族と一緒に住んでいて私以外の全員が外に働きに出ている(私は自宅で仕事をしている)都合、不特定多数の人と接触するリスクのあるイベントに参加するのは、いくら感染症対策をしたとしてもどうしても不安があったからだ。
振替用のコードは発行したが、これをいつ使うことになるのかは現在未定。
イベントに参加しないというのは私の選択だが、それでも同人誌を出すならリアルのイベントに参加したかったという未練はどうしても残っている。せめて自ジャンルのオンリーをやっている間くらいはちゃんとリアルのイベントに参加したいと思っているが、そんな日がいつ来るのかは分からない。

今年は楽しいことが無いではなかった、というか1月は普通に現場に足を運んだり現場のために遠征したり出来て普通にとても楽しかったのだが、2月以降何かが崩れていって総合して割ととんでもない1年になってしまった。3月から公開を延期されていた映画達は本当に最高だったし新しい作品に手を出す積極性が戻ってきたお陰で素晴らしい作品にも出会えたが、楽しみにしていた現場の多くがなくなって行きたい場所にはほとんど行けなかった。
それでも推しCPについて考えて考えてそれを小説にして本を作る為の時間は一際楽しかったと言っていいと思う。
小説を書いてインターネットの海に流しているだけの時は得られなかった充足感が、完成した本を手に取った時間違いなくあった。二次創作はあくまで自分のためにやる物だと私は常々思っているが、同人誌とはその究極形態なのかもしれない。だって本を作るのは本当にめんどくさい。とにかくやる事が多くて、自分のためと言い聞かせなければぶっちゃけやってられない。こんなにめんどくさいのに同人誌を作るのをやめられない人が多いのは、本を完成させて自分の手元に届いた時のあの全ての苦労をぶっ飛ばして余りある圧倒的に満ち足りた感覚のためなのかもしれない。

リアルのイベントに参加出来るかは分からないが、またきちんとした形で印刷所にお願いして本を作りたい、そう思っている。