雨降ってなんとやら

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色んな話をします。

【FGO】二部のダビデの可能性について【ネタバレ有】

この記事はダビデについての考察でも何でもない公式資料等から雑に妄想しただけの文章ですが二部一章までのネタバレを含むのでご注意ください。
























★「神」の定義を捻じ曲げた上での黙示録再現と神代回帰を本当にやれと誰が言った──!

皆さんこんにちは。
二部一章面白かったですね。
面白かったのですが一章のプロローグなどで色々爆弾を叩き込まれてヒイヒイ言ってる状態なので、あとついに弊カルデアダビデが絆10になった記念に、また思考整理を兼ねて雑にダビデについて長文でも書いてみようかと思いました。
ちなみに前回分はこちら。

まずは軽く、クリプターのやろうとしていることについて整理します。
なぜ彼らが異星の神(恐らくアザトース)に唯々諾々と従っているのかという点はさておき、クリプターは人理を凍結・漂白した上で再編し、地球を神代に回帰させようとしています。

二部序章が公開された時点から私がずっと気になっているのが、クリプターのやっていることがどうも新約聖書の「ヨハネ黙示録」の再現っぽいと言うことです。
神によって選ばれた者が救われ、神の意に沿わぬものは切り捨てられ、新しい世界が形作られる。一神教の終末思想としてはよくあるものなのですが、キリシュタリアの言葉には明らかにヨハネ黙示録が念頭にあります。
キリシュタリアは汎人類史の人類を「旧人類」と表現しており、これに対する「新たな人類」は一章のヤガのように「汎人類史の人類と異なる道を歩んだ異聞の人類」を指すと考えても差し支えないでしょう。
この異聞の人類が、黙示録で語られる「神によって選ばれた者」になります。
そしてこの「神」は、自身が根付く異聞帯を選んだ「異星の神」へと置き換える事が出来ます。

さて、この記事では「クリプターによる侵略行為はヨハネ黙示録の再現である」という点を前提に話を進めたいと思います。

なんで黙示録を再現することが問題かっていうとです。

黙示録の炎っぽいものを宝具で出せることがFGOマテリアルで判明してるサーヴァントがいるんですよ。
ダビデっていうんですけど。

FGOマテリアルに記載されているダビデの宝具は三つあります。

まずゲームに実装されているお馴染み「五つの石(ハメシュ・アヴァニム)」。
一部三章でキーアイテムとして登場し、ゲームではダビデの絆礼装として実装されている「契約の箱」。
そして設定のみがマテリアルに掲載されている「燔祭の火焔(サクリファイス)」です。

この「燔祭の火焔(サクリファイス)」の出典は、旧約聖書レビ記などに書かれている、ユダヤ教の神に捧げ物を行う儀式・即ち燔祭の儀です。燔祭の儀自体を定めたのは神から十戒を授けられたモーセなのですが、その子孫とされ古代イスラエルの王であるダビデの宝具としては妥当。
その一方でこの宝具の効果の対象は「神の意に沿わぬ者」であるため、純粋な燔祭の儀だけが出典ではないでしょう。そう言えば燔祭とか祭壇って二部PVで言ってる子がいましたね。
そこで燔祭の火焔のもう一つの出典と考えていいであろう逸話が、ヨハネ黙示録の以下の記述です。

また、別の御使が出てきて、金の香炉を手に持って祭壇の前に立った。たくさんの香が彼に与えられていたが、これは、すべての聖徒の祈に加えて、御座の前の金の祭壇の上にささげるためのものであった。
香の煙は、御使の手から、聖徒たちの祈と共に神のみまえに立ちのぼった。 
御使はその香炉をとり、これに祭壇の火を満たして、地に投げつけた。すると、多くの雷鳴と、もろもろの声と、いなずまと、地震とが起った。 
そこで、七つのラッパを持っている七人の御使が、それを吹く用意をした。
第一の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、血のまじった雹と火とがあらわれて、地上に降ってきた。そして、地の三分の一が焼け、木の三分の一が焼け、また、すべての青草も焼けてしまった。
第二の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、火の燃えさかっている大きな山のようなものが、海に投げ込まれた。そして、海の三分の一は血となり、 
海の中の造られた生き物の三分の一は死に、舟の三分の一がこわされてしまった。 
(黙示録8.3-9 口語訳) 

これは終末の始まりを告げる「黙示録のラッパ吹き」の場面です。
何故ダビデが黙示録の炎を使えるのかについては、ダビデが預言者とされているからではないかと考えられます。また、この場面に登場する「金の香炉」はダビデやソロモンが契約の箱をエルサレムに安置する際使用していたものと同様の物とされています。

ゲームに実装されているダビデの宝具は五つの石ですが、この宝具がダビデがアーチャーとなった決定打だと私は考えています。
また、それだけでなく現在実装されているダビデは王というよりは、王になる前の羊飼いとしての側面が強く表に出ているように見えるのです。

旧約聖書を読めば分かるのですが、ダビデの聖書での基本武器は剣です。ですがゲーム内だと羊飼いの杖で殴り、石を投げます(マテリアルの設定上は自作の弓矢も使うようですが実装されていないのでここでは無視)。羊飼いの杖で殴るアーチャーというのは、「ダビデ王」の英霊としてはやはり違和感があります。「杖で殴るアーチャー」の時点で相当な違和感がありますがそれはともかく。

アーチャーとして現界している時のダビデは、羊飼いとしてのダビデ古代イスラエルを統一した王として玉座に着く前の側面が強いと考えられます。
ダビデは羊飼いから神に選ばれて王となりますが、古代イスラエルを統一して玉座に着くまでは様々な紆余曲折を経ています。
王と定められて王になってから実際に玉座に座るまでの間の、神からの試練や先王とのいざこざの期間がなかなか長いのです。
そしてアーチャーのダビデの召還時に自動的に契約の箱が付いて来るのは、先王とのいざこざ期間にダビデは契約の箱を預かりつつ各所を移動していたからではないかと思われます。契約の箱自体はダビデの正式な即位後に王都エルサレムに安置されました。

神の加護A(神に王として見出される)。
治癒の竪琴B(竪琴で先王サウルを癒やす)。
カリスマB(ユダ部族を率いてイスラエルを統一する)。
FGOに実装されるサーヴァントのスキルは、その英霊の生前の生涯で辿った・能力や逸話を得た順に解放されるという説があります。
ダビデの持つスキル全て、「神に見出されてから玉座に座るまで」の期間内の逸話で説明が付いてしまうのです。
その後のダビデの逸話はダビデの言動にはがっつり反映されているものの(アビシャグとか最晩年の逸話です)、王としてよりは羊飼いとして扱ってほしいと本人が言っていますし、玉座にいた頃の心労を牧場経営の夢で癒していたとも言っているため、FGOダビデは羊飼いとしての面が強いと考えていいでしょう。
言ってしまえばアーチャーのダビデは王として振る舞っていない時の素の「羊飼いのダビデ」の側面です。偉大な王でありながら羊飼いとしての側面も持ち続けたという解釈の元に成立した英霊と考えられるというわけです。

つまり、「ダビデ王」としての側面が「羊飼いのダビデ」とは別にある可能性が高いと私は考えています。
そして「燔祭の火焔(サクリファイス)」は「ダビデ王」として現界した際に使用する宝具なのではないかと。

ダビデ王」としてのクラスに該当しそうなのが、
第一に「ゴリアテの剣」「ダビデの剣」を振るう者としてのセイバー。
第二に「契約の箱」を預かる者としてのルーラー。
こんなところでしょうか。
あと個人的にハスターの依代になってフォーリナーになってほしいという妄想。

まずセイバー説について。
ゴリアテの剣というのは、ダビデ幕間でも触れられている巨人ゴリアテが所持していた剣のことです。ダビデは石を投げてゴリアテを昏倒させ、その剣を奪ってゴリアテの首を刎ねました。その後もダビデの主武装となっています。
ダビデの剣というのは、厳密には聖書には登場しないのですが、「ダビデが所持しソロモンが拵えを改めた」とされる伝説上の剣です。そしてその伝説というのがアーサー王伝説ダビデの剣の所持者に選ばれたのが、もう名前だけならすっかりお馴染みの彼・円卓の騎士ギャラハッドです。ギャラハッドがなぜマシュの中から消えたのか、という謎も増えましたし、その点でもダビデがシナリオに絡んでくる可能性はあるかもしれないです。話は逸れますが年末特番のアニメでギャラハッド君があまりに容赦なくご先祖様ぶっ飛ばしててビビりました。
この「ダビデの剣」のエピソードは「Fate/Grand Order カルデアエース」の巻末「サーヴァント英雄列伝」で紹介されているのでご存じの方も多いかもしれません。まだの方は是非読んでみてください。
他にも、伝承やダビデ王の図像でダビデが持つ投石器以外の武器はだいたい剣です。
ダビデに別クラスがあるとしたらセイバーが一番順当かつ可能性が高いと思います。

ルーラー説については、個人的にはまだ決め手に欠けると思っていて。
契約の箱を神から預かる者にルーラー適性がある、と考えるまではいいのですが、契約の箱って現状アーチャーのダビデが現界すると自動で一緒に付いてくる宝具なんですよね。
ただ契約の箱自体は黙示録にも神の裁きの象徴として登場するため、箱を預かっているダビデにも「裁定者」たる資格があるとは思います。

最後に個人の趣味で挙げたいフォーリナー説。
ハスターの初出はクトゥルフ神話ではなくアンブローズ・ビアスという作家が自作の中で「羊飼いたちの神」として創作した神です。それが色々あって現在では「黄衣の王」を化身とするクトゥルフ神話の神性として扱われるようになっているわけですが。
ん?
羊飼い……神……王……少し前にどこかで聞いたような取り合わせ……冥界のメリークリスマスのドゥムジ……!!なぜなにウルクダビデの姿で出て来たドゥムジ……!!
まあドゥムジはドゥムジであってダビデではないのでそれはともかく。でも術王がうっかりドゥムジをダビデと呼びかけたのでこの二人本当に性質が似ているのではないかという気はします。
ハスターを黄衣の王を化身とする神であると設定したのはラヴクラフトではないのがネック。FGO世界のクトゥルフ神話系の設定の多くがラヴクラフトが「言い当てた」とされるもの、つまりラヴクラフトによる神話作品に依っているため、フォーリナー説は妄想の域を出ないのですが。でもハスターの設定やっぱりダビデと相性いい気がするんですよね。
異星の神がアザトースである可能性濃厚な上クリプターが黙示録再現を行っていることを考えるとちょっとくらい期待しても許される気はします。アビゲイル依代にしてるのアザトースの孫分のヨグ=ソトースだし。アビゲイルってダビデの妻が名前の由来だし。ダビデ王のファンだしアビゲイルカルデアで実物見て信仰が揺らぎそうまで言ってたけど。

ダビデの王としての側面のクラスが何であれ、私がダビデの二部での出番と別側面に期待している理由は、単にダビデ推しだからというわけではないです。
前にもこのブログで言ったんですけど。

生前に経験しなかった息子の消滅をダビデ王は本当に耐えられるのか?っていうのが一番大きいです。

ダビデ王は生前に何度か、大切な人を亡くしています。
その際必ずダビデはひどく嘆き悲しみ、その為に苛烈な面を見せることもありました。
自身の王位を巡る戦乱の中では王位を狙う先王サウルの息子を処刑した部下を自分の手で処刑しています。
また、王位継承を巡って謀反を起こした息子を勝手に処刑した部下に対しては、次に王になるソロモンに「あいつは絶対殺せよ」と言い含めるまでしています。
ダビデ王、一部三章で「子育てに興味なかった」ときっぱり言っている通りに聖書の中で子育てに関わってる描写は全然ないですが基本的に自分の子供と妻と友人のことは大好きです。友人ヨナタンくらいしかいないけど。
FGOの方でも息子のことは割合よく理解していたようで、自分の死後に玉座に着いたソロモンが使役していた使い魔の名前を把握していたり、「人理焼却を行っている魔術王はソロモン本人ではない」ということを察していたらしい事が描写されています。

FGOでのアーチャーとして、羊飼いとしてのダビデは温厚な面が強く、またカルデアのマスターと契約していたためか、ソロモンの消滅を穏やかに受け入れています。これについてはダビデ幕間を読んでください。
ダビデのこの幕間での反応と聖書のダビデ王とのギャップもまた、私にダビデに王としての別側面があるんじゃないかと思わせたきっかけだったりします。

で、ですよ。
クリプターがやろうとしている人理再編は、ダビデの息子ソロモンが自らの消滅と引き換えに繋げた人理修復という大偉業を完全に無駄にする行為です。
うん。二部でダビデ王がっつり出て来てもいいんじゃないかな!

しかしここで改めて振り出しに戻ってみると、
ダビデ王の地雷全力で踏み抜いてそうなクリプターは神代回帰の手段としてヨハネ黙示録の再現をしようとしていて、
そう言えばダビデが宝具で黙示録の炎出せちゃうじゃん……となるのです。
「神の意に沿わぬ者を焼き尽くす」という宝具効果。
クリプターは、「神」の定義を「異星の神」に変えた上で神代に回帰させようとしていますが、異星の神を別の存在に読み替えさせるというやり方はクリプターの侵略以前の一・五部、英霊剣豪七番勝負で既に行われています。
アヴェンジャーとなった亜種並行世界の天草四郎は、異星の神を「ルチフェロなりしサタン」であると信じて疑っていませんでした。
最悪、異星の神を自身が信じる神とするダビデ王などがクリプター側のサーヴァントとして出て来る可能性もないとは言えないわけです。怖い。
それにもしも、ロマニ≒ソロモンの消失する汎人類史を良しとしない異聞帯のダビデ王とか万が一出て来られたとして耐えられるマスターいます?その異聞帯でもしロマニが何事もなく生きていたりしたら流石に心バキバキに折れますよ。

更にもう一つ。
マテリアルにばっちり記載されているのですが、英霊ダビデには「救世主の祖」としてクラススキル「神性E」があります。
FGOには神性は実装されていません。それは恐らくFGOに今実装されているダビデが「神の加護をめっちゃ受けているただの羊飼い」だから。
黙示録の中で語られる「救世主の再臨」、この救世主に当たる者にクリプターの中の誰かがなろうとしているとしたら?それを確実なものとするためにダビデ王の救世主の祖としての力が使われるとしたらどうでしょう。
実際に新約聖書の中でダビデ王の名は、救世主の権威付けとして使われている節があります。黙示録の中でダビデの名前が何度も出てくるのも主にそういった文脈です。
個人的に「キリシュタリア」って名前がめっちゃ怖いなって思ってます。救世主を思わせる音の名前……。

別クラスダビデの可能性に備えて石を貯めたいとは思っていますが、今日始まったアナスタシアピックアップ2でサリエリを引くために手持ちの石全部使ってしまった上恐らく今後もガシャを回したくなる鯖がどんどん実装されると思うので心を強く持ちたいと思います。あと村正が実装されたらガシャぶん回しそうで怖いです。
それとメタな話をすると、ダビデの担当声優である中村悠一さんが、兼役している声優さんが非常に多いFGOで演じるのがダビデだけというのは非常に考えづらいのでやっぱり別クラスダビデを期待しても許されると思います。もしくはプロトギルガメッシュ。プロトギルガメッシュまだですか。

何はともあれ、この考察兼妄想が当たるにしろ外れるにしろ、第二部を楽しみたいと今は思います。
しかしデイビット・ゼム・ヴォイドとかデイヴィット・ブルーブックというDavidが由来のようなそうでないような名前のキャラクターも登場していますし正直気が気じゃないです。
二部攻略もきっとダビデの竪琴に頼りきりのマスターですが頑張ろうと思います。

(※2018/04/19追記)
天竺復刻だけでなく突然のボイス追加(=中村悠一さんによるボイス新規収録があった)、ショップ店員、二章ボスダビデ説浮上で瀕死

だってゲッテルデメルング(神々の黄昏)って言ってるし普通に考えてラグナロクじゃん……!北欧神話だと思うじゃん……!ブリュンヒルデやシグルド案件だと思うじゃん……!
確かにBC1000ってダビデが王に即位した時期と合致するけども!!
オフェリアの担当ロストベルトはどうもキリシュタリアの担当LBと関係あるようなのでその辺も気になる。

「神々の黄昏」ゲッテルデメルング、ラグナロクヨハネ黙示録の内容がいずれも「世界の終末」であることを考えると方向性はずれていない。
ただラグナロクは複数の神による戦いによる滅び、黙示録の内容は単一の神による最後の審判という違いが大きいのでそこは少し引っかかります。
でもゲッテルデメルングって章タイトルが伏せられてるんですよね、伏せられてるということはそこが開示されたら誰がボスになるのか分かってしまう可能性がある、つまり既存鯖案件ということなのかもしれない……

ここまで考えて体調悪くなってきた
助けてダビデ